『リズと青い鳥』ネタバレなしで感想。 |
紅月です。
また凄い物を見たなという感覚でした。 『宇宙よりも遠い場所』が2010年代を代表する作品だと評する人がいて「そうだなぁ」と思ってたところにまたしてもこういうのが。
とにかくこの作品は「意味を自分から理解しに行く」ことをしなければよく分からない映画だと思う。 作中に出てきた言葉を借りるなら「楽譜に描ききれないものを演奏者が読み取ること」で、それを少し怠るとついていけなくなる。展開自体は遅いのに、ヒロイン二人の間を流れる感情はすごく変わっていく。 感想ブログ書いてた人が「隣の客が、意味が分からないと言って寝てた」と書いてるのも分かる。
序盤で示された関係から不協和音。 その要因が徐々に大きくなって軋みを上げていく。 ブスッとした顔だけど怒っていない。 聴いているようで聴いていない。 笑っているようで笑っていない。 感動して泣いているようで、泣いていない。 記号的表現などなくて、とにかく行動と感情が一致しない。それをちゃんと読み取らないと意味が分からなくなってくる。
感情の起伏や状況の変化を読み続けたことで、最後に訪れるカタルシスが心地よかったです。
|
|
|
|
|
|