B・S・DBlog
テキストサイト「B・S・DHouse」のブログです。 日記、小説、読んだ話の感想などもろもろ。 たまに毒呟きもまざったりします。双子座だから精神内に双子の弟がいるんですよ。邪悪な(笑)
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今年もよろしくお願いします&物書き進化録

旧年は皆様には大変お世話になりました。
今年もよろしくお願いします。

新年一発目はツイッターで見かけた「物書き進化録」を追ってみようかと思います。

進化なのか退化なのか分からない部分もありますが。

執筆を始めたのは高校三年生の時からです。受験期の間にちまちまとやっておりました。
この際にちょっと日陰の作品をクローズアップしてみようかな。


1999年(長編「THE LAST DESTINY」より)
 ライアスが屋敷から出ると、村の入り口辺りから火の手が上がっていた。村人が次々とディシスの屋敷の方へ逃げてくる。
「ちぃ!」
 ライアスは広場の方に向けて走り出した。村の構造はディシスの屋敷まで入り口からほぼ一直線になっている。村の中央にある広場で魔物をくい止めなければさらに民家に被害が及ぶ。
 広場に近づくと道に何体かの魔物の死体があった。
 おそらくラルフが倒したのだろう、切り口が×字になっている。ラルフは本来二刀流であり、倒した魔物にはたいてい同じような形の切り傷がついていた。
 そしてライアスが広場に着いた時、
「うわっ!」
 ラルフの声だ、とライアスが認識した瞬間、目の前を何かが通り過ぎ、広場を囲っている塀に激突した。
「ラルフ!」
 通り過ぎた何かはラルフだった。ライアスはラルフに駆け寄った。
「ラルフ! しっかりしろ」
「ライアス、気をつけろ・・・・・・、やつは、今までの魔物とは格が違う」
 ラルフの声に命に関わるダメージは受けてないと安心したライアスは、広場の中央に目を向けた。
 そこには一匹の魔物が立っていた。
 背丈は約2メートル程、身体は金色の毛で覆われていて指先からは長いものはロングソード並、短いものはダガーほどの爪が伸びている。
 背中の辺りからは6本の触手のようなものが生えていた。その魔物は真っ直ぐにライアスたちの方に近づいてくる。
「グフフ、ミツケタゾ・・・・・・」
 魔物はたどたどしく人語をつかって呟いた。
「どうしてこの村を襲う!」
 ライアスはオーラテインを構えて魔物に問いかける。魔物は立ち止まり答えた。
「グフフ・・・・・・オレノナワ、ゲオルグ。マオウサマニツカエル『ハチブシュウ』ダ。マオウサマノ、メイニヨリ、マオウサマヲ、オビヤカスヤツヲ、シマツシニキタ・・・・・・」
 ゲオルグと名乗った魔物はそう言うと、突然体勢を低くし、ライアスに向かって突っ込んできた。ライアスはかわそうとするがラルフがまだよけられる体勢ではない。
「こうなれば………」
 ライアスはオーラテインを正眼に構えると「気」を集中した。するとライアスの身体と刀身に光が纏われていく。
「グガァァァァアアア」
 すぐそこにゲオルグの爪が迫ったその時、ライアスの身体が動いた。
「疾風斬!」
 ライアスは身体と刀身に「気」を纏ったままゲオルグに突っ込んだ。
 ゲオルグの爪とオ―ラテインが耳障りな音を立てて激しく鍔迫り合う。
「ウ………ガァア」
 ゲオルグは一気に広場の奥まで押し戻されていき、そのまま倒される。
 ライアスは少し離れた場所に止まると、ゲオルグの方に向けまた剣を構えた。
「ウ………グ………」
 見るとゲオルグの肩口から血が出ている。倒したときにライアスがその勢いを切り裂いたのだ。
「あれがオーラテインの力・・・・・・」
 ラルフが体勢を立て直して言う。「疾風斬」―――ライアスとラルフがディシスから授かった剣技の一つで、刀身と身体に自分の「気」を纏い相手に突撃する、というものだ。
 だが、ラルフが驚いたのは普通の剣でこれを繰り出したときに比べて遙かに威力が上がっているのだ。普段は一匹の低級魔物を貫ける程度だが今の威力だと3?4体は一撃で倒せるだろう威力がある。それでもゲオルグが生きているのはゲオルグが並の魔物ではないということだ。
「いくぞ!」
 ラルフはゲオルグに向けて走り出した。そしてその最中、手に持った剣を振る。すると剣から握り拳状の光の玉が出てきた。それは剣を振る度に数を増していく。ライアスもその様子を見て剣を振り、光の玉を増やしていく。
「………ナニヲスルキダ………」
 徐々に高まってくる二人の闘気に戸惑い、ゲオルグはどちらに攻撃するかためらう。そして二人の闘気が爆発した。
「閃光烈弾!!」
 二人の声が同時に響き剣をゲオルグに向かって振り下ろすと、二人の周りに集まった光の玉は一斉にゲオルグに向けて飛んでいった。そしてゲオルグに当たると爆発を起こした。


2000年(長編「Endless waltz」第一章より)
「これは駄目だな……」
 ヴァイは目の前の<クレスタ>を見てそう呟いた。残りの体力、魔力を考えても今の<クレスタ>に勝てる要素はほとんど無い。実際立っているだけで精一杯なのだ。
《リヴォルケイン》時代、幼いながらも幾つも死ぬような目にあってきたが今回のは今までとは完全に桁が違う。本当の死の恐怖がヴァイの強靭な精神を蝕んでいた。
(これが本当の恐怖か……)
 光の中の<クレスタ>――だった物が徐々に体の形をはっきりとさせてくる。以前よりも禍々しく巨大になっていき、ヴァイの二倍の体長にはなっていた。
「ガァァァァアアアアォォォ!!!!」
『それ』は光を纏ったまま片手を突き出す。そこに光が集まって一層光を増してくる。
(凄い魔力だ。おそらく『白』き咆哮の軽く数倍はいくだろうな)
 ヴァイは冷静に相手の力を分析しつつももう動く気力を無くしていた。
(終わりか……)
 ヴァイは覚悟を決めて目を閉じた。<クレスタ>だった物が咆哮を上げる。
「ルシータ……ごめん」
 ヴァイは思わず呟いていた。その時、突如ヴァイの頭の中に声が響いた。
(ヴァイ……死なないで……)
「!?」
(あたしを一人にしないで……)
<クレスタ>だった物が光を発射した。ヴァイは咄嗟に魔術を発動させる。
「『白』き螺旋!!!」
 ヴァイはいつもよりも前に螺旋結界を張った。そこに光がぶつかり螺旋が悲鳴をあげる。
 すぐに螺旋は消滅して光は突き進むが、僅かな時間とどまったおかげでヴァイはその場から移動して直撃する事は無かった。
「『銀』の獣!!!」
 再び空間断裂の魔術で<クレスタ>だった物の体が切断される。しかし徐々にだが斬られた部分が再生していく。
「ルシータ……ありがとう」
 ヴァイはルシータに感謝していた。絶望に沈んだ彼の精神を奮い立たせたのは間違いなくルシータなのだから。
「一人にしないって約束したもんな。それにこいつは俺が食い止めないと……、こんな化け物が街に入ったら街は……世界は壊滅する」
 ヴァイはこの化け物が自分を殺した後、街を襲うと確信していた。この化け物は破壊を楽しんでいる。一体何者かは分からないがとにかくヴァイにできるのはこの化け物を倒す事だけだ。汗が目に入るのを拭いながらヴァイは闘志を奮い立たせた。
(斬っても再生するなら、完全に消滅させるしかないか……)
 ヴァイには一つ勝算があった。ヴァイの持つ魔術の中で完全に相手を消滅させる事のできる最強魔術があるのだ。
(しかし、通用するのか? 奴に……)
 ヴァイは先ほどの空間断裂が最初に喰らわせた時よりも傷が浅かった事に気づいていた。
 おそらくあの化け物には魔力に対する結界が張っていて魔術が通りにくくなっているのだろう。
 魔術の全威力を叩き込まなければあの化け物は倒せないとヴァイは考えると最後の賭けに出る事にした。腰にあった『ヴァルレイバー』を抜き右手に持って構える。
 いつでも奥の手の魔術を放てるように意識を集中し化け物を睨みつけた。
「――行くぞ!!!」
 ヴァイは初速から全速力で駆け出した。化け物は手をかざして光線を放つ。それを横っ飛びで避けて更にヴァイは化け物に肉薄する。
「ここまで来たら光線は使えないだろう!!」
 ヴァイは『ヴァルレイバー』を渾身の力で振り下ろした。その直後ヴァイの顔に驚愕が走る。
『ヴァルレイバー』は空中で止まっていた。まるで見えない壁に阻まれるかのようにそれ以上前に進まないのだ。
(やばい!!)
 ヴァイは危険に気づいて身を引こうとしたが、化け物には一瞬動きが止まった事で十分だった。逃げようとするヴァイの鳩尾に拳が食い込む。
「がはぁ!」
 あまりの威力に体勢を立て直せないまま地面へと立たきつけられるヴァイ。更に化け物はヴァイに馬乗りになり連続して打撃を加えてくる。
 鈍い音が間断なくあたりに響いていく。
 猛攻に意識が無くなりかけながらもヴァイは何とかチャンスを探そうとしていた。
(こいつ……なぶり殺しに……す……る気か……)
 化け物はヴァイが意識を失わない程度にぎりぎりの強さの打撃を加えていた。
 ヴァイは化け物が完全に油断していると、朦朧とした意識で何とか判断できたが反撃の隙があるかと言えばそうではない。
 あまりに攻撃が激しすぎてその隙がまったく見当たらない。
 そんなうちにとうとうヴァイも限界が近づいてきた。
(駄目……か……)
 もうほとんど考える力も残っていない。ヴァイの様子を見た化け物は止めと言わんばかりに両手を掲げて光を集める。それは先ほどまでとは比べ物にならないまでの強い光だった。
「ぐぎゃぁあぉあぉあおあぉあ!!」


2001年(長編「Endless waltz」最終章より)
「『白』き咆哮!」
「『黒』き破壊!」
「『赤』光!」
 ラーレスの光熱波。レインの空間爆砕。マイスの火球が一点に集中する。しかしそれらはヴァルキルエルの眼の前で何の前触れも無く消滅した。
「無駄な事」
「だからって止めるわけにはいかないわ!」
 レインは剣を出現させてヴァルキルエルに向けて突進した。
「『銀』の砕牙ぁ!」
 銀色のエネルギーの刃がラーレスの手に生まれる。激しく光り輝く刃をヴァルキルエルへと突きつけるために突進する。
「無駄だと……」
 ヴァルキルエルはその場に留まったままレインとラーレスの動きを見ていた。そして二人の攻撃が自分を襲うのを目視して――
「言っている」
 両手でそれぞれの攻撃を受け止めていた。
「何っ!」
「何ですって!?」
 レインとラーレスは驚愕を隠し切れずに一瞬動きが止まる。そこにヴァルキルエルの攻撃が来た。
「逝け」
 一言。
 その一言と同時にレインとラーレスの体を雷撃が蹂躙する。
「ぐわあああ!」
「きゃああああ!」
「『白』光!」
 二人が雷撃を受けているのを止めるためにマイスは光熱波を放つ。しかしヴァルキルエルは次に取った行動は、その光熱波に二人を投げつける事だった。
「!!?」
 マイスは強引に意識を光熱波に介入して何とか軌道を曲げた。投げつけられた二人を掠り、ヴァルキルエルから離れた所に光熱波が吸い込まれて爆発する。
 ほっとしたマイスが次に見たものは自分に向かってくる二人だった。
「うわ!」
 避けきれずに二人にぶつかり床へと転がるマイス。そしてそこに頭上から雷撃が降り注いだ。
「うわああああ!!」
「あぐあああ!!」
「あああああ!!!」
 あまりにも強烈な衝撃に三人の意識が薄れていく。
 フェナはその光景を見て戦慄を覚えていた。
(あの三人がまるで歯が立たない……。これでは、もう……)
「しばらく、眠るがいい」
 ヴァルキルエルがそう言った瞬間、三人が固まっていた場所が突如大爆発を起こした。
その爆風にフェナとルシータはその場から飛ばされそうになる。必死になってその場に踏みとどまり、やがて眼を開ける。
「……そんな」
 ルシータの声がフェナには聞こえた。震えていた。よほどの事が起きない限り怯えを見せないルシータが、怯えている。
 レイン、ラーレス、マイスが倒れていた。意識はまったくないようで、ピクリとも動かない。死んでいるのではと思うぐらいだ。
「お前達は終わりだ」
 気がつくと目の前にヴァルキルエルがいた。
 フェナはしかし、回復魔法を止めようとはしない。
「何のためにそこまでやろうとするのだ?」
「諦められないからよ」
 フェナの視界をルシータが遮った。フェナとヴァイをヴァルキルエルの視線から遮る形で立つ。その足は震えていた。
「お前も足を震えさせているではないか? そこまでの恐怖に打ち勝ってまで、何故この場にいるのだ? 運命は決まった。お前達を助ける者はもういない。お前達を殺した後は世界を滅ぼす。もう先に道は無い」
「まだ、わたし達は殺されていない」
 ルシータの声はすでに震えは無かった。自分の意志を、想いを疑いも無く信じている者の目。それをヴァルキルエルは見た。
「どうせ殺されるなら、それまでは絶対諦めない。わたしはあんたなんかに屈しない。わたしは最後まで諦めないわ。あんたが世界を滅ぼそうとするのを最後まで抵抗してやる」


2002年(短編「月に願う」より)
 夜の校舎というのは静まり返っていて、不気味と言えば不気味だ。
 しかしこの学校には特に心霊スポットとしての噂も無いし、墓の上に立てられたわけでもない。
 恐れる要因がなければ、闇に包まれていても恐れる事は無い。
「瀬良。来たぞ?」
 後ろからかけられた声に瀬良稔(みのり)は振りむいた。自分と同い年の男。
 少し眠そうに欠伸をして、口に手を当てている。
「重永さ、ゲームのやりすぎだぜ。受験勉強の時なら起きているの当たり前な時間じゃん」
 時刻は午前一時。
 少なくとも、風呂に入ってくつろいでいる時間ではある。
「終わった事に未練は無いのだ! もうすぐ大学生だし、残された余暇を満喫しなければな」
 重永茂は思い切り背伸びをして唸る。
 相変わらずの友人に稔は笑って歩き出した。
「おい、どこに行くんだよ。学校に用があるんじゃないのか?」
「違うよ。ちょっと付き合ってほしかっただけだ」
 そう言って歩き出す背中を茂はやれやれ、と言った感じで首を振り、ついていった。
「昔っからそうだよなー、お前。時々なんでこんな行動するの? とか思える事するし」
(そしてそれにいつもついてきてくれるお前も、変わらないよ)
 稔は声に出さずに、そう思う。幼稚園からの付き合いとはいえ、まだまだ茂の事は分からなかったが、自分の無茶についてきてくれるのはこの男だけだった。
 二人が歩いているのは通学路だった。
 こんな夜にはもちろん誰も歩いてはいない。
 自分達が歩いて高校へと通った、道。
 つい最近まで、歩いていた道はもうすでに使ってはいない。
「こんな坂道よく三年間も通ったよなぁ。上りは辛くて自転車押さなきゃいけないし、下りは下りで、危ないから自転車から下りて行け! とか言って先生達が坂にはりこんでいるし」
「そうだな」
 苦笑。
 それを不思議に思ったのか茂は横に並んで訊ねた。
「なんだよ。俺の周りで不満言ってなかったのお前だけだったのに、お前もやっぱ嫌だったのか」
「当たり前だろ? めんどくさいし、いちいち降りるの」
 稔の言葉に茂は大笑いした。坂の中腹から中空に声が吸い込まれる。
 市街からは少し離れた場所にあるからいいものの、普通ならば怒鳴られてもおかしくない。
 笑いが落ち着いてから、茂はあらためて訊ねる。
「でも、どうして俺達は夜の通学路を歩いてんだ?」


2003年(短編「星々の沈黙」より)
 雲一つない空。
 黒と言うよりは深い藍色と見ていい空。
 普通ならば空を彩る空の天蓋には、今は乳白色の月だけがぽっかりと浮かんでいる。
 暗闇の海に浮かぶ月の周りには星一つ無いためにかえって月の存在感を際立たせていた。
 そんな空に対して僕が倒れている下には冷たい雪が敷き詰められている。
 ざらざらとした感触は僕に不快な感情しかもたらさない。
 僕の視線は空を向いていたが、白い大地と深い藍色という二色に分かれたこの世界を、僕は確かに『見ていた』
 背中から這い上がってくる寒気に嫌気が差していても僕は体を起こす力さえない。
 その気さえ、ない。
 全てを奪われてしまった僕はこのままこうして朽ちていくのだろう。
 だから僕は月を見る。
 ただ、月を見る。
 最後の瞬間まで僕は、何もないこの世界にたった一つだけ存在している物を見ている。
 綺麗な円形をした月を。
 唯一の光を発している月を。
「ここはどうしてこんなにも寒いんだろう?」
 一陣の風が吹いたと、錯覚してしまった。
 耳が痛くなるほどの静寂に包まれていたこの世界に響いた声。
 どうしてそんな力が湧いてきたのか僕には分からないが、その声に僕は体を起こした。
 僕だけがいるはずのこの世界に、他者の声が響いたからだろうか? 理解しがたい事に対しての好奇心か、はたまた恐怖か。
 目の前にいたのは僕と全く同じ服装をした男だった。
 白い世界に佇むその姿は赤。
 全身を赤い服で統一したその男は見間違う事なく僕自身だった。
 空の藍色、地面の白。そして僕の赤い色。
 三色目は問い掛ける。
「君はどうしてこんな場所に寝ているのだろう? この、冷たい月に照らされた、死した世界に……」
 冷たい月。
 その言葉が僕の心に深い痛みを与えていた。
 空に、ただそこにあるという理由だけで浮かんでいる無機質。
 生命の無いガラス玉……。
「どうして、こんな所に君はいるの?」
『僕』は本当に、心の底から知りたいのか僕へと問い掛けてくる。
 言葉の響きはとても冷たく、今にも僕は凍えそうになるというのに。
 しかし恐怖心を強制的に排除するだけの力を持っていたからなのか、僕は立ち上がっていた。
 この閉ざされた世界に倒れ、心までも凍りつくのを待つだけの存在へとなりさがった僕が、自分の足で立ち上がったんだ。驚くしかない。
 足の裏に感じるのはざらざらとした雪の感触。
 いつの間にか僕の足は素足になっていて、直接冷たさが這い上がってくるのを自覚する。
 しかし、どうしてこんなにも雪がざらざらとしているのだろう……?
「乾いているからだよ」
『僕』が語る。


2004年(短編「彼女の理由」より)
「はぁ……」
「いきなりなに溜息ついてるの? 美緒?」
 あたしの目の前に座る沙織は怪訝そうに視線を向けてきた。あたしを気遣う振りをして、お弁当箱の中にあるコロッケを箸で分解しているのが分かったから、あたしはあえてまたため息をつく。今度はもっと大げさに。
「なによ??」
「……明人と喧嘩しちゃった」
「えー。もう何回目? とりあえずあたしは十回目で数えるの止めたよ」
 全然心配してないなんて……そりゃあ、喧嘩するたびに愚痴を言ったあたしが悪いわよ。
だからって深刻に悩んでいるというのに弁当を啄ばんでるんじゃないわよ!
 とりあえず一口大に切り取られたコロッケを一切れ取って即座に口に運ぶ。沙織は憮然とした顔で睨みつけてきたけど、逆に睨みつけてやった。
 昼の食事時に相応しくない険悪な空気が二人の間に生まれる。
「……はぁ。めんどい」
 あたしのほうが先に引いた。今は沙織と喧嘩している場合ではないのだ。何しろ、今までとは事情が違うのだから。
「今度は今までとは違うのよ! かなりやばいの!」
「そりゃあ、付き合って一年半くらい経ってるんでしょ? 倦怠期なんじゃない?」
「うう?。そうかもしれないけど! だったら余計にやばいじゃない!!」
 少しも真剣になってくれない沙織に流石に怒りが湧いてきた。まあ、愚痴を言っているあたしが怒りを訴えても説得力は無いんだろうけど。沙織はコロッケを一気に口にかきこんで、ペットボトルのお茶を飲み干してから頬杖をついた。この体勢は真面目に話を聞いてくれる体勢だ。でも考えていたことを言う前に、沙織の甲に巻かれた包帯を見て新しい考えが浮かんでくる。
「……あたしも空手習おうかな」
「えー、やめときなよ。物理的に痛い分、恋愛よりもきついよ」
 この時の沙織は冗談は言わない。ちゃんと、あたしの目を見て親身になって話してくれる。このギャップがあたしは好きだ。
 ギャップ……
「そう。ギャップよ」
「ギャップ?」
 唐突に話題が飛ぶあたしにも、沙織は少し眉をひそめただけで特に気にしていない。あたしの思考の流れについていけるのは沙織と明人だけ。だから、明人と付き合ってるんだろうけど。
「ギャップ。明人は普段ちょっと三枚目じゃない? でも空手やってる時は二枚目で、クラス委員やってるときは気配り上手だし、あたしと二人でいるときは犬みたいに甘えてくれるの」
「あたしは空手やってるときの永沢君しか知らないからなんとも言えないけど、つまりあなたはあたしにのろけたいということかしら?」
 あ、やばい。沙織の頭に血管が浮かび上がってる。何本も。しかも怒りマークがつきまくってるじゃないよ。親身モードが切れると沙織は怖い。
「いや、結局さ」
 あたしはようやく言い難かったことを口にした。あたしだって言いづらいからここまで引き伸ばしたんだよ! そのことに気付いてくれたのか沙織は怒りを収めてくれた。次の言葉でまた顔を真っ赤にしたけれど。
「あたし、明人に飽きた」
「――はぁ!?」


2005年(短編「心の器」より)
 雪が降り積もった道の中央。
 そこに倒れている黒猫は、柊良人(ひいらぎよしと)の目に自然と飛び込んできた。良人は立ち止まって何気なく前後左右に首を回し、最後に上を見上げる。
 二月に入って気候は徐々に春先に向けて転がり始めたようで、数日前の大雪の後から雪は全く降っていない。今も良人を照らす陽光は、確実に積もった雪を削っていた。
「これからデートだってのに……不吉な」
 車通りが全くない道路とはいえ、道路のど真ん中で腹を見せて寝ている猫を見ると誰もがひき逃げかと思うだろう。だが良人は猫の腹が微かに動いていることに気づき、ほっとして息を冬の寒空に吐いた。沈みかけた気持ちを立て直し、綺麗に丸みを帯びた頭部を右手で撫でた。
 髪の毛を伸ばすよりもすっきりしていて良いと、小学一年から高校二年現在まで続けている坊主頭。そして同級生よりも少し大柄な身体。そのような外見のため、良人は女の子に「ダサい」「眩しい」「むさい」などと言われ続け、多感な年頃の男子としては悔しい思いをしてきた。それでも外見を変える気にはどうしてもなれず、今日まで過ごしてきた良人にとって、今日のデートは人生の転機となるはずだった。
(思い切ってラブレター出して正解だった……)
 思考を腹見せ猫から再び想い人へと移す。
 軽くスキップをしながら猫を避けて道を進もうとしたその時――
「おい、貴様」
 太く低い声が聞こえ、良人は背筋が凍りつくような感覚に襲われて立ち止まった。咄嗟に周りを見回してみても、並んでいる家からは誰も外に出ていない。窓からでも声をかけられたのかと視線を上げてみても、顔を出している人間はいなかった。
(なんだろう)
 周囲の住人の一人が窓を開けて自分に呼びかけて、すぐに家の中に引っ込んだのかと良人は考えたが、その割には窓を閉めるような音は耳には届かなかった。その場で首を傾げるも、気のせいだと言い聞かせて足を進めようとする――
「おい貴様。そこの太陽と勝負できそうな頭」
 今度は確実に声の方向が理解できた。良人はゆっくりと顔をそちらへと向ける。そこには自分を見ている黒猫がいた。先ほどまで寝ていたからか、黒猫は大きくあくびをして頭を下げると身体を伸ばす。前足の爪から尻尾の先まで伸びきってから、四本足でバランスの良い立ち方へと戻った。
「な……なんだよ、お前」
「名乗る前に頭をこちらに向けるな。私の黒い肌が反射光で焼ける」
 黒猫は本当に眩しいかのように目を細めながら、良人のほうへと少し近づいた。どうやら太陽光が良人の頭を経由して地上に届く範囲の内側に入ってきたらしい。良人は動揺したままだったので、黒猫の指示に従い、目線だけ下に向けた。
「おおおおおおまえ、何なんだよ!」
「私の名を問う前に、まずは貴様が落ち着くが良い。深く息を吸うなどしてな」
 黒猫の声は先ほどとは違い、低く深いが甘さを持っていた。


2006年(掌編「メール/クロス/カウンター」より)
 下駄箱に入った手紙というものがどんな意味を持つのか、黄金崎直樹(こがねざきなおき)には一瞬分からなかった。それでも機密文書なのだという思考展開をする。目撃者が他にいるかもしれない眼前で渡されるのではなく、当人しか分からないよう下駄箱という閉鎖空間に入っていたのだから。そこを開くのは使用者である直樹本人しか本来はいない。つまり、直樹が空手部の練習を終えた夜六時半に上履きを入れてから登校してきた朝七時半……つまり今現在までの十三時間の間に他者の指紋がついたことになる。
「ぬぅ……」
 誰に聞かせるつもりもないうめき。そもそも三十分くらいストレッチをしようと早く来ているのだ。直樹の言葉を拾う者などこの場にはまだいない。それでも周囲を確認し、素早く鞄の中に落としてから屋上へと向かうべく階段を三段飛ばしで翔け上がっていった。
 ストレッチでほぐそうとした身体は緊張に固まっている。身長は百七十と男子ではもう少し背が足りない。それでもその身長を持つ一般学生よりも体重を増加させている要因である筋力と、スポーツ刈りの頭の下にある頬まで筋肉と揶揄される顔立ち。二つを備えている存在が風を切っているのは正に百七十センチの弾丸とも呼べるほどだ。その様子を見た数少ない生徒の「ぶつかりたくない」という心の声が直樹には聞こえていた。
 被害者を出さないまま、鍛え上げられた下半身はさほど時間もかけず直樹を目的地へと運ぶ。用意されていた座布団に尻を投下させてから手紙を取り出すまでに停滞は無い。手紙を止めるのに使われていたハートマークのシールを破かないようにそっと引き剥がした。
「その前に私のお腹からお尻を剥がして」
 座布団の声には耳を貸さず、直樹は文面に目を走らせていく。縦長の封筒に入っていた紙は一枚。ルーズリーフの丸穴部分をカッターで切り取って作った紙。三十行ほどあったが最初の数行だけが黒芯で埋められている。

『はじめまして。私は【ひしひわ】と言います。本名を知られるのが恥ずかしいのでペンネームにしました。学校に轟いている名声を持つ貴方と違って、私はただの一般市民なので許してくださいね。お手紙を出したのは私という存在を知ってほしかったからです。貴方が知らないところで貴方に頬を染めている私がいることを。またお手紙を出したいと思います』

「それ、間違いなくラブレターね」
 座布団の言葉に同意して直樹は何度も文面を読み返す。行間の奥に潜む相手の存在を看破するために。現代国語十段階評価を十である高一の男の洞察力を見せ付けてやるかのごとく。
「身長は百六十五センチ。体重は五十五キロ。髪の毛は手入れはどうやってるんだと言わんばかりの毛先が腰まで届いている長髪。
「瞳は中指と人差し指がずぶずぶっと入る大きさ。鼻はクレオパトラのように高い。見たことないが。口は触感豊かな小粒明太子。きっと繋がったならば酸味と甘味で美味だろう。
「胸は上から八十。五十。七十七。冬の制服に隠された肢体は、男子学生の妄想を暴走させるために設定されたと言っても過言ではない」
「分かったからお尻を剥がして」
「ぬ。おはようございます」


2007年(掌編「夜明けまで」より)
 星空に手を伸ばせば、簡単に届きそうで。冬から春へ向かう風は身体を引き裂きそうで。それでも内からの熱は消えず、星の光に呼応してまた力となる。
 誰もいないマウンド。そこに立つ一人の男。ジャンバーを脱いでユニフォームを露出させると更に冷気が彼の身を切った。
「寒いな、やっぱり」
 息の白さは一冬のそれとは異なり和らいでいたが、それでも一時間ほど準備運動でほぐしてきた肉体を多少なりとも固くする。坊主頭の名残を残す、短めの髪。眉毛の下にある切れ長の瞳はほんの半年前まで数々のバッターを射抜き、制してきた。その右腕が振り切られるたび、人々は歓声を上げ、対峙した相手の嘆息が漏れた。
 自分の思うように討ち取る。背中を預けるは信頼する仲間たち。自らの球を投げ込むのは最高の友。
 野球のグラウンドは彼にとっての一つの世界。マウンドは聖域だった。過去を振り返っている間に、ペダルをこぐ音と共に思考へと割り込む。聖域であるその世界へと入ることが出来る唯一の存在、半身ともいうべき者がグラウンドへと続く道を自転車で進んでくる。
 三年間見てきた顔に巨体。野球から離れていても、贅肉が多くなったわけではない。すでに大学野球、その先を視野に入れて欠かさずバットを振ってきた男の二の腕がジャンバーに包まれていても分かった。
「お待たせ、悟」
「圭吾」
 上条悟は御日村圭吾の言葉に応えながら、ポケットに入れておいた硬球を取り出した。両手でざらつく表面をなぞり、右手でしっかり持つと空を見上げる。あと三十分もすれば太陽が昇り、星たちは光の中に姿を消す。
 夜と朝が混在するこの時間を悟は心地よく思い、たまに家の窓からその光景を見ていた。この時間を選んだのも、この幻想的な空間でけじめをつけたかったからだ。
「身体は温まってるから、さっそくやるかー」
「おう!」
 距離があるため声を多少大きくする。何も言わずにキャッチャーミットをつけて、圭吾はホームベースの後ろに座った。元々大きな身体が、あるべき場所に落ち着くだけで更に存在感と共に大きく映る。忘れかけていた緊張が悟を包み込んでいく。
(この感じだ)
 半年前に置いてきた物。高校三年間の野球が終わった日からの忘れ物。自分の身体に、右手に。そして心に。
 過去の自分が宿る。


2008年(掌編「河童の田中さん」より)
 クラスに河童が転校してきたのは、中学校三年の一月という、かなり中途半端な時期だった。僕らは三月の受験に向けて必死こいて勉強してたし、春から高校ってことで大抵の友達と離れないといけないなーと心は寂しく、でも勉強しないとなとか思っていて頭の中はぐちゃぐちゃだった。だから、河童が転校してきますとか先生が言った時はちょっと嬉しかったものだ。ゲームや漫画、アニメで使われてるくらいだから河童くらい存在してもおかしくない。でもほとんど見ないってことは、きっと友だちになったら自慢できるに違いない。
『俺、河童と友だちなんだぜ。マブよマブ』
『すっげー! 激うらやましー』
『ちょべりぐちょべりぐー』
 そうやってはっちゃけながら、河童を自慢する自分を思い描いていた。
 その高揚も、先生が廊下にいる河童を呼び寄せたことで終わった。
 やってきた河童は、絵巻で描かれていたままの、キシャー! とかいう擬音が似合いそうな外見をしていた。体脂肪率はきっと一桁だろうなと見て分かる筋肉。ガラスくらい簡単に打ち抜けただろう。顔もお肉と呼べそうな部分はなく、おにくっ! という擬音が似合いそうな顔つきだった。そんな河童さんはぬらぬらとテカっている肌を舌で舐めながら、ぐちょぐちょと音を立てて歩いてきて、僕等の前に立った。
 ああ、デフォルメって人類の宝だと思った。てっきり三頭身くらいで皿があってひらひらとしたシャンプーハットみたいなの被って、目が点で口はアヒルで、ずんぐりむっくりした河童が来ると思っていたんだ。
 でも八頭身で皿があってヒラッヒラッしたシャンプーハットみたいなの被って、目は黒く口はアヒルで、すらっとぴしっとした河童。
「初めまして。田中一郎と言います。短い間ですが、よろしくお願いします」
 河童の田中さんは、大学三年生男子くらいの声でそう言った。当時の僕等にはさすがにそこまで詳しくなかったが。簡単に言えばピアノの鍵盤の低いほうのドの音だった。


(2008年番外「ある発掘物の記述(神との聖戦)」より)
 にひじ。ゃなんまんぃありさんらし。がかひぃあんぁん。"さないおんさらはあんぁぁんヵか"。
 ぁま。ふぁき。んあさんまっじぇふぇお。ああしうこ。
 ん、あがから、ぁぁあばがたぃおあなじぁへ´んり。
 わしゃんふぁごああんぁんしおヵん;ぁあひおあぁおたぁあ。、なふぁあふぁヵんがあヵぁら。ぁんぁんふぁかし。
 しんなぁが。ヵんんりさらき。んしょじゃた。
 たヵんらおヵんぁふぁだ。
 ぁほひぇか。ぃぁぉら。ふぁぁんふわ。ぁんぁた。
 んあばふぁんし。ぁた。ち。んふぁんぁぱぁは。
 あふぃぁあぁぁいうた。さかち。んむ。じゃかてはばほあさなんふぁしああしおふぁんんふぁあばんわぁふぁあ、あんふぃあぱいうあふぃおあなのいおぱたヵ。
 "んふぃおあでぃっ。がでょぎた。


2009年(掌編「ぬめぬめとした扉」より)
「いいかい、タケ坊。あの家の、ぬめぬめとした扉を開けてはいけないよ。大変なことになるから」

 お祖母ちゃんはそう言って息を引き取った。死ぬ一ヶ月前にはもう痴呆症が進んでいたのか、俺は小学生の『タケ坊』であり、あの家に遊びに行っているやんちゃなガキだった。そして、決まって同じことを繰り返した。

 ぬめぬめとした扉を開けてはいけないよ。

 その定型句は小学生の時に一度聞いて以来、高校二年生になるまで聞くことはなかった。あの家の存在も一ヶ月前にお祖母ちゃんの言葉で思い出したくらいだ。だからなんだろう。無性に気になってしまった。
「母さん。あの、お祖母ちゃんが管理してた家ってまだあるの?」
 葬式を終えてから一週間。居間で遺産整理をしている母さんに聞いてみる。細々とした書類に埋もれていた母さんは姿勢を整えてから言った。
「まだあるわよ。立地条件もいまいちだから、人はもう住んでないけど。お祖母ちゃんが亡くなったから、あそこの土地は人に売ってしまうつもりだけど……どうして?」
「いや。小学生の頃さ。たまにあそこ行ってたから。まだあるのかなって気になっただけ」
 その返答で納得したのか、母さんはまた書類に視線を移した。俺は俺で、その場にいる意味もなくなったので居間を後にする。時計を見ると時刻は午後三時。小春日和の時間帯は冬時間から抜け出て心地よい太陽の光が地面を照らしてる。気になって仕方が無かった。
 ぬめぬめとした扉。
 記憶の中に確かに存在しているその扉は、言われなくても気持ち悪くて触れなかったから、小学生の俺は遊びに行っても開けなかったんだ。その度胸がつく頃にはその家には人が住んでいたし、俺は野球少年になっていて、いつの間にか忘れていた。
「母さん。ちょっとランニングしてくるわ」
「あまり遅くならないでね」


2010年(長編「FlyUp!」より)
 先ほどと攻撃する人間は変わっても、同じ形。巻き戻して再生したかのような同じ光景。だが、すぐに変化が訪れる。
 打ち込まれたスマッシュを吉田が前に踏み出して、前の位置でインターセプトすると坂下はロブを上げるしかなかった。武が後ろに即座に移動し、坂下の顔面に向けるようにスマッシュを放つ。真正面はただでさえ取りづらいが、いままでよりも早くシャトルに触れる武のスマッシュは、この場に来て速度を上げていた。
 今までほぼ返していたスマッシュを、坂下はコート外へと飛ばしていた。
「ポイント。フォーツー(4対2)」
「しゃ!」
「ナイスショット!」
 一つ一つ。まるでパズルのピースが組み合わさっていくように、武と吉田のショットが高まっていく。
 水を得た魚。
 そんな言葉が早坂の脳裏をよぎった。一球一球返すごとに力が上がる様子は、吉田と共に初めて一位となった学年別の時を思い出す。
 小学生のときに目立った戦績を残せなかった武が、吉田というパートナーを得て駆け上がった様は正に水を得た魚。
 今回もまた、第一シードという北海道最強の相手の力にぶつかることで、飛躍的に力を上げていく。
 才能ある選手の覚醒の時。
 それは思いもがけないタイミングで、さらりと訪れる。
(一年前は悔しいって思いだったのに、変わるものね)
 悔しくて、バドミントンから少し離れたこともあった。それはほぼ一年前でもあったし、二年になってからすぐのことでもあった。そこまで月日は経っていないのに、今は武の成長が自分のことのように嬉しい。
(好き、なんだなぁ)
 自分の思いに素直になる。好きな相手を好きだと思えることがこんなに気が楽になるとは考えられなかった。
 好きな相手だからこそ、自分の成長以上に応援したくなる。
(由奈。由奈が信じてたあいつは、凄いやつになったよ)
 大事な友達の顔が思い浮かぶ。いつも傍にいて、武を見守っていた女の子の顔が。もう自分には入り込む隙がないと分かっているからこそ、目頭が熱くなる。
 泣くのは全てが終わってからだと分かっていても、視界が潤むのは止められない。
「いっぽーん!」
 弱々しい思いを吹き飛ばすように叫ぶ。その瞬間、武のシャトルが坂下のラケットをすり抜けた。
「ポイント。エイトシックス(8対6)チェンジエンド」
 いつしかポイントは8対6。


正直な気持ち、2009年のブランクの分、文章は鈍ってる感覚ありますね。
少しずつ書いていって息の長い活動にしたいです。

歌もそうなんですけど、ここ一、二年はがむしゃらに続けることが出来なくなった分、時間で左右されるような趣味にしないようにしないとと考えるわけです。

今年一年ものんびり続けていこう。特に「FlyUp!」はあと数年はかかる計算になるから。


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プロフィール

紅月赤哉

  • Author:紅月赤哉
  • 北海道産まったり創作男
    バドミントンと歌をこよなく愛し、小説でどんどん書いてみたいと思いつつ実践したりしなかったり。
    詳しくは本館のプロフィール参照。
    面白いネタを提供できるときはなるべく凝ってみよう。

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